胸や肩甲骨のストレッチだけでは猫背はなかなか解消されません
パソコンなどで仕事をしたり、趣味の時間を過ごしたりする機会の多い現代。
猫背に長年悩まされているという方も多いのではないでしょうか。
命にかかわるようなものではないとはいえ、首や肩に頭の重さがかかってコリや痛みの原因になったり、当然姿勢も悪くなって見た目にも響いてきますし、呼吸も浅くなってなんとなく息苦しくなってしまうことも。
よく、腕を伸ばしたり肩甲骨をはがすように動かしたり……といったストレッチが猫背の解消に効くと紹介されていますよね。
もちろん、それはそれでそれなりに改善しますが、なかなか解消とまではいきません。
では、猫背を根本的に解消するには、一体どうしたらよいのでしょう?
この記事では、3年間針治療を続けても治らなかった猫背が、なんと1か月もしないうちに解消した足指ほぐしの方法をご紹介します。
といっても
「どうして猫背が足指ほぐしでよくなるの?」
「胸とか肩甲骨とか、背骨に関わる場所が悪いんじゃないの?」
と、これを読んでいる方も半信半疑なのではないかと思います。
確かに一見何の関係もなさそうですが、実は猫背と足裏には深い関係があるのです。
足指ほぐしで背筋がピンと伸びるんです!
猫背は踵に体重が乗っていて後ろに体が行き過ぎるため、姿勢をよくしようと、無理やり前に体を持っていこうとしている状態です。
体は前に行っている、でも指は使えてないから御着母で体重を支えてしまう……それで、踵と御着母の2点で体を支える癖がついてしまうんです。
御着母と踵
前に曲がった胸や肩甲骨をまっすぐに伸ばせば、一時的には胸を張れます。ですが、いくら胸や肩甲骨を伸ばしても、体を踵と指の付け根で支えていたら、バランスをとるために体が前に出てきてまた猫背になってしまいます。
そこで必要なのが、足の指をほぐすことです。
足の指をこまめにほぐしていって指が使えるようになったら、指に体重がかかることで前の方へ体重がかかり、まっすぐに体が伸びるようになるんです。
3年間針治療に通ってよくならなかった患者さん
長年ひどい猫背に悩まされていて、前を見て歩くと首を無理やりあげることになり、首が痛くて辛いということで来院された患者さんがいました。
しばらく針治療に通ってもらい、痛みは取れたのですが、猫背がなかなか治らない状態でした。
「何かよい方法が無いかな……」と考えていた時に、足の指に注目したんです。
最初から足の指がうまく使えていないことに気づいてはいて、ご本人にもケアの方法はお伝えしていたのですが、なかなかご自身だけでケアを続けるのは難しかったようでサボりがちになっていました。
そこで「本格的に足指ほぐしをしましょう」ということになり、週に1回は指導し、ご自身でも必ずケアを続けてもらうようお願いをしました。
そうしたところ、今まで3年間10日~7日に1回針治療に来てくれていて治らなかったのに、足指ほぐしを始めて1か月もしないうちに「ピュッ」と腰がのびたんです。足の裏も余計な力がかからなくなってすっかり綺麗になりました。
あまりにあっさりと治ってしまったので、逆に申し訳ないくらいでした。
では、この方に実際やっていただいたケアの方法をご紹介します!
なかなか解消されない猫背にお悩みの方は、ぜひ試してみてください。
足の指をきちんと使えるようにするセルフストレッチ
【足指ブラブラ】
(右足をストレッチする場合)
①椅子または床に座って、足首や足指の力を抜いた状態にする。
②左手で右足の甲をつかむ。
③右手で親指をつまみ、アーチを描くイメージで足裏方向に引っ張りながら15~20回ほど揺らす。
④人差し指から小指まで同様に行う。
ポイントは、足の甲側に引っ張ると浮き指を悪化させてしまうので、あくまで下の方、床に接地する方に向けて引っ張りながら揺らすことです。
【足指ずらし】
手の甲と同じように、足の甲にも指から伸びる骨があります。
その骨と骨の間をほぐすのが足指ずらしです。
(右足をケアする場合)
①両手で足の甲を抱えるように持つ
②左手で親指の骨、右手で人差し指の骨をつかむ
③それぞれの骨をずらすように動かす
④4か所の関節についてすべて同じように行う
こちらは一か所につき10回ほど行ってください。
最初固まっていると痛い場合がありますので、その時はゆっくりと痛くない程度にやっていただければと思います。
【足指つかみ】
①足の甲側から、足指の間に手の指を入れる(指の真ん中くらいまで)
②手をぎゅっと握るようにして、足の指を前方下部に向けて伸ばす
③空いている方の手で土踏まずをマッサージし、アーチの形になるよう促す
片足につき20秒くらいでOKです。
【+αでやっていただく踵のケア】
踵に重心が行き過ぎてるな、という方は以下のケアを行ってください。
踵が固まっているので踵を動かしてあげましょう。
(右足をケアする場合)
①右手で右足の甲をつかみ、左手で踵をつかみます。
②そのまま踵をねじるようにしばらく動かします。
③踵の少し上の部分に圧がたまっているので、そこを抑えます。
たったこれだけですが、こまめにやることで踵に動きをつけることができて、足の指がしっかりのびてきます。
騙されたと思ってやってみてください
足の指が伸びると足指に体重が乗るようになります。
そうすると足裏の全部の面で体を支えることができるようになりますから、余計な力がかからないですし、踵に乗っていた体重が全体に乗るようになり、その分体がのびて猫背が解消されます。
このセルフケアで変わったという方が、実際にたくさんいらっしゃいますので、ぜひ毎日コツコツと実践してほしいと思います。
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