タコは削るだけではなぜダメなのか
足の裏にできるタコでお悩みの方は少なくありません。
ケガでも病気でもないし、大したことはない・・
と思っていても、いざできると歩くたびに痛いし靴を履くと痛い。
毎日毎日、お風呂でゴリゴリと削っているというお話も伺います。
またフットケアサロンなどで削ってもらう方も多いようですね。
小さなタコだったら、市販の薬で何とかしてみようと思うかもしれません。
もちろんこれらの方法は、硬くなった角質が取り除かれる、またはふやけるので
痛みの発生を抑えてくれるという点では有効です。
しかし、結局のところは「できたものを取り除いている」だけに過ぎません。
対症療法は根本的な解決ではありませんので、放っておけばまた同じところにタコができます。
根本的な原因を解消しなければ、ずーっと削り続けなくてはなりません。
この記事では、タコの原因と根本的な解決方法をご紹介します。
頑固なタコはどれくらいで治る?
当院にいらっしゃる、タコでお悩みの患者様の中には、もう20年も同じところにできているという方もいます。
他のところとは完全に皮膚の色が違ってしまっていて、見るからに頑固そうなタコであることがわかります。
当院では、大抵のタコは2週間程度で改善させることができますが、さすがにこの頑固なタコは少し時間がかかりました。
と言っても、1ヶ月もすればほとんど綺麗になっています。
この記事をお読みのあなたも、これからご紹介する解消方法を実践すれば、長年お悩みのタコともさよならすることができるはずです!
タコができる場所ごとの原因を解説
タコができやすい箇所は大きく分けて3ヶ所あります。
それぞれ、タコができてしまう原因があります。
- 足の人差し指と中指の付け根の中間
ここにタコができる人の足を診ると、中間の三指(人差し指・中指・薬指)が使えていないことが多いです。
つまり、三指が常に曲がった状態になっていて踏ん張れていないということ。
そのため付け根の方に負荷がかかってしまっています。
ヒールを履く女性に多く見られる症状です。
- 小指の外側付け根
足の指の爪は、上から見ると正面が見えるように生えているのが通常です。
しかし、小指が倒れている場合は、小指の爪だけ外側を向いた状態になっています。
小指の外側付け根部分にタコができる人の足は、大抵そのような状態です。
そして、薬指の方に小指が丸まっています。
そのため小指にかかるべき体重がかけられず、その分小指の付け根に負荷がかかり、タコができやすくなるのです。
- 親指の外側付け根
立ったり歩いたりするときには、足の親指の踏ん張りを聞かせるのが通常ですが、親指に力が入らず、フニャフニャになっている人がいます。
そのような人の親指は、曲げると90°以上曲がる程フニャフニャです。
親指がそんな状態で踏ん張れないので、その分付け根に負荷がかかり、付け根部分にタコができてしまいます。
まずは基本の5つのパターンを実践!
これらの原因を取り除くためには、下記の「基本の5つのパターン」が有効です。
足の指一本一本の機能が正常に働き、足裏の一部に負荷がかかり過ぎることもなくなるので、タコにお悩みの方はぜひこの5つのパターンをやってください。
【足指ブラブラ】
(右足をストレッチする場合)
①椅子または床に座って、足首や足指の力を抜いた状態にする。
②左手で右足の甲をつかむ。
③右手で親指をつまみ、アーチを描くイメージで足裏方向に引っ張りながら15~20回ほど揺らす。
④人差し指から小指まで同様に行う。
ポイントは、足の甲側に引っ張ると浮き指を悪化させてしまうので、あくまで下の方、床に接地する方に向けて引っ張りながら揺らすことです。
【足指ずらし】
手の甲と同じように、足の甲にも指から伸びる骨があります。
その骨と骨の間をほぐすのが足指ずらしです。
右足をケアする場合
①両手で足の甲を抱えるように持つ
②左手で親指の骨、右手で人差し指の骨をつかむ
③それぞれの骨をずらすように動かす
④4か所の関節についてすべて同じように行う
【足指ブリッジ】
足を正面から見た状態でアーチを作るのが、足指ブリッジです。
①指を離すようにしながら、手でブリッジを作る。
②足先だけでなく土踏まずの方まで少しずつずらしながら、アーチを作る。
【足指つかみ】
①足の甲側から、足指の間に手の指を入れる(指の真ん中くらいまで)
②手をぎゅっと握るようにして、足の指を前方下部に向けて伸ばす
③空いている方の手で土踏まずをマッサージし、アーチの形になるよう促す
【足指スクワット】
足指ブラブラで足の指をほぐし、柔軟に使えるようにしたら、今度は足指スクワットで足の裏全体で踏ん張れるようにします。
①裸足で床に足をつき、足指を強く床に押し付ける(踏ん張る)。=第一段階
このとき、足の指にしわが入るくらい力を入れてください。
②足の指と指の付け根を床に押し付けた状態で、踵を5センチほど上下に動かす。=第二段階
③足の指の腹を床に押し付けた状態で、指の付け根から浮かし、上下に動かす。=第三段階
足裏の状態によっては、第三段階や第二段階ができない人もいます。
第一段階から第二、第三と順番にやってみてください。各10回ずつを一日に2~3回行えるとベストです。
これで足裏の筋肉が引き締まります。
症状別にプラスアルファのケア
- 小指側のアーチを作る
加えて、小指付け根の頑固なタコの原因を取り除くにはプラスアルファで下記のケアを実践しましょう。
倒れて丸まっている小指を正常な形に戻す必要があります。
小指をつまんで外側に引っ張るのも効果はありますが、それだけでなく、足の外側のアーチにも着目してください。
土踏まず側のアーチは着目されやすいのですが、外側のアーチはあまり診られません。
しかし、小指が正しく使えていない人は外側のアーチが逆アーチになっていることがあります。
鏡などで見てチェックして、アーチがない場合はこちらをやってみてください。
【足の外側のアーチを復活させるケア】
・足外側部分の出っ張った骨のすぐかかと側を、下から上にぎゅっと押す
押すと、このように小指が開くのがわかります。
・開いた小指を反対の手でつまんで、「外・前・下」にそれぞれ引っ張る
- 土踏まず側のアーチを作る
親指の付け根にタコができる人も、基本の5つのパターンに加えて下記のケアをしましょう。
前述した通り親指を曲げると90°以上に曲がり、フニャフニャになっていることが多いです。
親指がフニャフニャなのは、土踏まず側から伸びる筋肉が伸びきってしまってるためですので、土踏まず側の筋肉を刺激して引き締める必要があります。
【土踏まず側の筋肉を引き締めるケア】
・土踏まずにある骨に沿って、アーチを作るように内側に指で押す
アーチをなぞるように、踵の方に向って推し進めてください。
すると小指のときと同様に、親指が開きます。
どれくらいの期間、ケアすればいいのか?
ケアが必要な期間は人によって異なりますが、まず一ヶ月は続けてみてください。
基本の5つのパターンと、症状ごとのケア方法、合わせても一日20分程度です。
筋トレなどと違って大変な思いをしなくていいのもいいですよね。
お風呂に入った時や寝る前、朝起きた時など、一日に何度か行うのが理想です。
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